ジオラマの水表現を極める!初心者でも簡単にできるリアルな水面の作り方

ジオラマ制作の中でも、水の表現は作品に臨場感とリアリティを与える重要な要素です。川の流れや池の静けさ、波打つ海面など、水があるだけで風景が一気に生き生きとし、見る人の心を惹きつけます。
「水の表現って難しそう…」と思っている初心者の方も安心してください。実は、いくつかのポイントを押さえるだけで、手軽にリアルな水面を再現することができます。
この記事では、初心者でも簡単にできる水表現の基本から、プロっぽく仕上げるコツまで、わかりやすく紹介していくので、参考にしてみてください。
水表現に使われる主な素材
ジオラマ制作において、水の表現は風景に命を吹き込む大切な要素のひとつです。清流の流れ、池の静けさ、波立つ海面など、水のあるシーンは作品に奥行きやリアリティを与えてくれます。ここでは、初心者にも扱いやすいものから、プロ仕様の本格的な素材まで、水表現に使われる主な素材の特徴や使い方を分かりやすく紹介していきましょう。
モデリングウォーター
初心者でも扱いやすくお勧めなのが、「モデリングウォーター」です。モデリングウォーターは高粘度の液体状で販売されており、時間経過で自然に硬化する為、比較的簡単に使える商品といえるでしょう。
水の流れを表現したり、波打つ水面や滝のような動きのある水景に向いています。透明感も高く、着色も可能なため、水の色を調整したいときにも便利です。ただし、深さのある水にはあまり向いておらず、薄く重ねるような使い方が推奨されています。
レジン
ジオラマで最もリアルな水表現を追求する場合に欠かせないのがレジンです。透明感が高く、硬化後は光の反射や奥行きの表現が美しく、海や湖、川など幅広い水景に適しています。
本格的なものでは、2液を混ぜて化学反応により硬化させるタイプもありますが、混ぜる必要がなく、そのまま使用できる1液性タイプのものがお勧めです。
レジンは深い水や静かな水面を作りたいときに非常に有効です。ただし硬化するにあたり、専用のライトが必要となります。また、気泡が入りやすかったり、硬化時に熱が発生する為、注意が必要になります。作業には換気と手袋などの安全対策も必須です。
リアルな水面を作るコツ
ジオラマでリアルな水面を表現するには、ただ透明な素材を使えばいいというわけではありません。水の深さ、光の反射、波の動きなど、自然な見え方を再現するには、いくつかの工夫とテクニックが必要です。
ここでは、ジオラマ初心者にも取り入れやすい「リアルな水面を作るためのコツ」を紹介していくので、参考にしてみてください。
透明感を活かした下地作り
リアルな水面を表現するためには、まず下地作りが非常に重要です。水素材は透明もしくは半透明であるため、下に塗る色や模様がそのまま見えることになります。
浅い水であれば水底の砂利や石、植物などを細かく作り込み、自然な地形を再現することで、立体感と奥行きが生まれるでしょう。深い水を表現する場合には、中央を濃く、岸に近づくほど明るく塗るグラデーションを施すと、自然な深浅の表現が可能です。塗料は他の素材との相性を考慮して選びましょう。モデリングウォーターを使用する場合は、アクリル系のものを使用するのがお勧めです。
レジン液を使用する場合は、レジン液専用の着色剤も販売されています。
光と反射を意識した仕上げ
水面の美しさは、光の反射や映り込みの表現に大きく左右されます。硬化後の表面にツヤを出すためには、素材自体の性質も重要ですが、さらにクリアコートや透明ニスなどで仕上げを加えると、ガラスのような水面になるでしょう。
また、水面に映り込む周囲の風景を意識することで、よりリアルな表現が可能になります。たとえば、森や建物、空などが水面に反射しているように演出すると、作品に奥行きが生まれるでしょう。ライティングによる影の出し方も工夫することで、時間帯や天候の演出にもつながります。
細かな表現で「動き」を加える
静止した水面だけでなく、動きのある水もリアルな表現には欠かせません。風に揺れる波、水が流れる川、滴る滝など、自然界の水には常に表情があります。
モデリングウォーターでは、硬化中の水表面部に加工を施すことで、よりリアルな動きのある水の表現ができます。硬化途中の水表面部をピンセットや爪楊枝などでひっかくようにすることで水の流れを表現することができます。
レジンを使用する際は、波や水しぶきなどのパーツを別で作成して、取り付けることでダイナミックな水の動きも可能になります。
失敗しないための注意点
ジオラマで水表現に挑戦するとき、「思ったように固まらない」「気泡が残ってしまった」「仕上がりが濁ってしまった」といった失敗はよくあるものです。せっかく時間をかけて作ったのに、最後の工程で台無しになってしまうのは避けたいですよね。
ここでは、水表現で失敗しないために知っておきたいポイントをわかりやすく解説していくので、参考にしてみてください。
素材の特性を理解して使う
ジオラマの水表現に使用される素材には、それぞれ異なる性質があります。エポキシレジン(2液性)は透明度が高く美しい仕上がりが期待できますが、混合比を間違えると固まらない、または表面がベタつくといったトラブルにつながる恐れがあるでしょう。混ぜ合わせの作業は非常に繊細な為、初心者の方は一液性のタイプをお勧めします。
また、モデリングウォーターやジェル系の素材は扱いやすい反面、厚く塗りすぎると乾燥に時間がかかったり、表面にひび割れが生じたりすることがあります。素材の取扱説明書をよく読み、推奨されている使用環境や厚さ、乾燥時間を守ることが、失敗を防ぐ第一歩です。
作業環境と下地の準備を怠らない
水素材はホコリや気泡に敏感なため、作業環境の整備がとても重要です。硬化中にホコリが付着すると表面にゴミが残り、やり直しが難しくなります。
作業前には机の上をしっかり清掃し、可能であれば密閉できる容器やケースで硬化を進めると安心です。また、下地の塗装や配置物がしっかり乾燥していないと、水素材と化学反応を起こして変色や剥がれの原因になることがあります。素材を流し込む前に、すべての下地が完全に乾いていることを確認しましょう。
少量ずつ作業する
レジンやジェル素材は、厚く一度に流し込もうとすると、内部に気泡が閉じ込められたり、うまく硬化しなかったりすることがあります。特に深さを出したい場合でも、数回に分けて薄く流し込み、層ごとにしっかり硬化させていくことが成功のポイントです。
作業中に気泡が出てきた場合には、早めに針や爪楊枝でつぶしましょう。可能であれば、事前にエンボスヒーター等で気泡除去の作業を行い、しっかりと温度が下がった状態で流し込みの作業を行うとキレイに仕上がるかと思います。作業中に他の素材にレジン液が付着した場合、拭き取りが難しいため、焦らず丁寧に工程を進めることが、リアルで美しい水表現に近づける秘訣です。
まとめ
ジオラマの水表現は、風景に奥行きと臨場感を加えるとても魅力的な要素です。一見難しそうに感じるかもしれませんが、素材の特徴を理解し、基本のテクニックを押さえることで、初心者でもリアルな水面を作ることが可能です。
ぜひ今回ご紹介したポイントを参考にしながら、水辺のあるジオラマをつくってみましょう。
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