住宅模型の作り方完全ガイド!材料選びから仕上げまで徹底解説
建築学生や設計事務所必見!住宅模型づくりの基本から応用テクニックまでを詳しく解説。初心者でも失敗しない材料の選び方と、プロ品質の仕上がりを実現する製作手順をご紹介します。。
住宅模型作りの基本ースケールと材料選びのコツ
住宅模型作りで最も重要なのが、適切なスケールの設定と材料選びです。一般的な住宅模型では1/50や1/100スケールが使用されますが、目的に応じて使い分けることが重要です。プレゼンテーション用の模型では1/50スケールが好まれ、都市計画やマスタープランなどの広域を表現する場合は1/100以上の縮尺が選ばれます。
失敗しない模型材料の選び方
住宅模型の基礎となる材料として最も重要なのが、スチレンボードです。光栄堂のスチレンボードは、精密な切断が可能で歪みが少ないため、正確な住宅模型作りに最適です。特に建築模型用に開発された製品は、一般的な画材用のスチレンボードと比べて、以下の特徴があります。
- 寸法安定性が高い
- サイズと厚みのバリュエーションが豊富
- 表面が滑らかで、塗装の仕上がりが美しい
- カッターでの切断時に粉が出にくい
- 接着剤との相性が良く、強固な接着が可能
スケール等によって変わりますが、1/50スケールで壁材として使用する場合は、外壁に4mm厚または5mm厚、内壁に3mm厚を選択することが多いです。また、屋根や細部の表現には2mm厚を使用することで、よりスケール感のある仕上がりを実現できます。
住宅模型用のスチレンボードを選ぶ際は、以下の点にも注意が必要です
- 保管状態が良好で、反りや曲がりがないもの
- 表面に傷や凹みがないもの
- サイズが作りたい模型に適したもの
- 価格と品質のバランスが取れているもの
メーカーにもよりますが一般的に実際に販売されているサイズは、紙規格よりも大きいサイズになっていることが多いです。
住宅模型の製作手順と効率的な作り方
住宅模型を効率的に作るためには、正しい手順と適切な道具の使用が重要です。ここでは、プロの模型製作者が実践している効率的な製作手順をご紹介します。
基本的な製作手順は以下の通りです
- 図面の確認と材料の準備
- パーツの切り出しと加工
- 基礎部分の組み立て
- 壁面(内壁→外壁)の接着と構造の確認
- 屋根部分の製作 ※取り付けは開口部作業後の方が良いと思われます
- 開口部(窓・ドア)の表現
- 外構部分の作成
- 仕上げ・細部の表現
確実な組み立てのための接着テクニック
住宅模型の強度を左右する接着作業では、専用接着剤の使用が推奨されます。光栄堂の「スチのり」は、スチレンボード専用に開発された接着剤で、適度な粘度と速乾性を備えています。
接着のコツは以下の通りです
- 接着面を清潔に保つ
- 適量を均一に塗布する
- 接着後は十分な圧着時間を確保する
- 気温や湿度に応じて乾燥時間を調整する
- はみ出した接着剤は速やかに拭き取る
- 重要な接合部は補強を検討する
細かいパーツの接着には「ぞうさん」が便利です。ぞうさんはスチのり専用の注入器で、ノズルが細いため、ピンポイントでの接着ができ、余分な接着剤が周囲に付着するのを防げます。特に以下のような場面で重宝します。
- 手すりなどの細かいパーツの接着
- コーナー部分の精密な接着
- 透明パーツの接着
- 急な傾斜面での接着作業
仕上げ技で差をつける!リアルな住宅模型表現のテクニック
模型の見栄えを大きく左右するのが仕上げ作業です。ここでは、プロ品質の仕上がりを実現するための具体的なテクニックをご紹介します。
外構・庭づくりの専門テクニック
住宅模型の魅力を高める外構表現には、専用の素材を使用することをお勧めします。光栄堂の「情景職人」シリーズ や「グランドマット」、「ランドスポンジ」を組み合わせることで、リアルな庭や植栽を表現できます。
芝生の表現方法
- 芝生にしたいスチレンボードの面に、接着剤を塗布する(草造くんがお勧め!)
- 塗布した場所に、情景職人を振りかける
情景職人は1色ではなく、何色かを使った方がよりリアルな情景表現となります。
芝生表現の場合は、グランドマットでも簡単に表現が可能です。
また、庭園や外構の表現では、以下の点に注意が必要です
- スケールに合わせた植栽の大きさ選択
- 季節感の表現
- 光と影の表現
- 地形の起伏表現
- 素材の質感表現
水回りの表現には「モデリングウォーター」が効果的です。プールや池、水栓まわりの表現に使用することで、よりリアルな仕上がりを実現できます。
具体的な使用手順は以下の通りです
- 表現したい部分を清掃
- 必要に応じて下地処理を行う
- モデリングウォーターを薄く均一に塗布
- 気泡が出た場合は細い針などで除去
- 完全に乾燥するまで水平を保つ
- 必要に応じて複数回塗りを行う
さらに、水表現を成功させるためのポイントとして
- 周囲への漏れ防止処理
- 適切な塗布量の見極め
- 乾燥環境の管理
- 光の反射を考慮した仕上げ などが重要です。
まとめ
住宅模型作りは、適切な材料選びと正しい製作手順があれば、誰でも美しい作品を作ることができます。光栄堂の製品は、長年の実績に基づいて開発された信頼性の高い材料です。
初心者の方は、まずはスチレンボードと専用接着剤を使用した基本的な形状の製作から始め、徐々に外構表現などの応用テクニックに挑戦していくことをお勧めします。何より重要なのは、確かな材料と正しい技術を組み合わせることです。
プロ品質の住宅模型作りには、適切な材料選びと製作技術の両方が必要です。この記事で紹介した基本をしっかりと押さえ、実践を重ねることで、必ず理想の住宅模型を作ることができるでしょう。また、失敗を恐れずに新しい表現方法にも挑戦することで、独自の技術を身につけることができます。
模型作りの技術は、実践を重ねることで確実に向上します。まずは基本に忠実に、そして徐々に応用的な技術も取り入れながら、理想の住宅模型作りを目指してください。