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2025.07.05

建築模型に使えるスチレンボードとは?特徴と使い方をやさしく解説

建築模型の制作において、仕上がりの美しさや作業のしやすさは素材選びで大きく変わります。その中でも「スチレンボード」は、カットのしやすさや軽さ、加工の自由度の高さから、初心者からプロまで広く使われている定番素材です。

この記事では、建築模型に使えるスチレンボードの特徴や選び方、使い方のポイントまで、初めての方にもわかりやすく解説します。

スチレンボードとは?建築模型に使われる理由

建築模型 屋根 白

建築模型を制作する際、素材の選定は作品の完成度を左右する重要なポイントです。その中でも「スチレンボード」は、加工のしやすさと仕上がりの美しさから、多くの建築模型制作者に選ばれている定番素材となっています。

ここでは、スチレンボードの基本的な特徴や他素材との違い、建築模型に適している理由について詳しく解説していくので、参考にしてみてください。

スチレンボードの基本特徴

スチレンボードとは、発泡スチロールを紙で挟んだサンドイッチ構造のボード状素材です。中心の発泡スチロール部分は軽量かつ適度な弾力があり、外側の紙が表面を保護しているため、扱いやすく、加工にも向いています。

カッターで簡単に切断でき、エッジも比較的きれいに仕上がるため、細かな作業にも適しているのが特長です。表面には筆やペンでの描写もしやすく、プレゼンテーション用の模型制作などにも多用されています。

他の素材との違い

建築模型で使われる素材には、バルサ材や厚紙、アクリル板などさまざまな種類がありますが、スチレンボードはそれらとは一線を画した特徴を持っています。バルサ材は木材特有の質感がある一方で、加工には少し力が必要で、割れやすさもあるため慎重な作業が求められるでしょう。

厚紙は手軽に使える反面、強度が不足しやすく、立体構造には不向きなことがあります。スチレンボードは、それらの欠点を補いながらも、軽さと加工性、仕上がりのきれいさをバランスよく兼ね備えているのが特長です。

建築模型に適している理由

スチレンボードが建築模型に適している理由は、何といってもその扱いやすさと表現力の高さにあります。カットや接着が容易で、正確な寸法での加工が可能なため、繊細な構造の再現にも向いているでしょう。

また、ボリューム感のあるパーツも軽量に仕上がるため、大型の模型でも取り扱いが簡単です。さらに、着色や印刷、レーザーカットなどにも対応しやすく、プレゼンテーションやコンペ向けの模型制作でも高い完成度を実現できます。そのため、建築学生からプロの設計者まで、幅広い層に支持されているのが特長です。

スチレンボードの選び方と厚みの目安

建築模型 スチレンボード 厚み

建築模型に使用するスチレンボードは、厚みや種類によって仕上がりや作業のしやすさが大きく変わります。用途や表現したい構造に応じて適切なものを選ぶことが、精度の高い模型づくりには欠かせません。

ここでは、スチレンボードの選び方と、厚みの目安について解説します。

模型の用途に応じたスチレンボードの選び方

スチレンボードには表面紙の種類や芯材の密度など、いくつかのバリエーションがあります。模型制作においては、表面が滑らかでカッターの刃が引っかかりにくいタイプを選ぶと、細部の加工がしやすくなるでしょう。

プレゼンテーション模型などで見た目の美しさが重視される場合は、白くて平滑性の高い表面のスチレンボードがおすすめです。また、接着剤との相性や反りの出にくさも選定時のポイントとなります。長期保存を想定する場合は、経年変化が少なく変形しにくい高密度タイプを選ぶと安心です。

厚みの目安と使い分け

スチレンボードの厚みは、主に3mm・5mm・7mm・10mmなどがあり、模型のスケールや用途に応じて使い分けることが大切です。1/100スケールなど小さめの模型には、薄めの3mm〜5mmが扱いやすく、細かいパーツの制作にも適しています。

1/50や1/30といった大きめのスケールでは、構造の立体感を出すために7mm〜10mmを使用することもあるでしょう。基礎や地面部分など、全体を支えるパーツには厚めのものを、壁や屋根などのディテール部分には薄めのものを使うことで、バランスよく仕上げることができます。厚みによって重量や加工のしやすさも変わるため、模型の目的に応じた選定が重要です。

スチレンボードを使った建築模型の作り方

スチレンボード 建築模型 接着

スチレンボードは、軽量で加工しやすく、美しい仕上がりが得られることから、建築模型の制作において非常に人気の高い素材です。ただし、その特性を活かして正確で美しい模型を作るには、いくつかの基本的なコツがあります。

ここでは、スチレンボードを使った建築模型の作り方について、道具の選び方から加工・組み立てのポイントまで詳しく解説していくので、参考にしてみてください。

必要な道具とカットのコツ

スチレンボードをきれいに加工するためには、適切な道具の準備が欠かせません。使用するのは主に、よく切れるカッター、金属製の定規、カッティングマット、スチレンボード用接着剤などです。

カット作業では、一度で切り抜こうとせず、数回に分けて刃を軽く入れるのがコツになります。これにより断面が滑らかになり、組み立てた際の精度も高まるでしょう。また、カット時には刃が鈍ってくると紙面が毛羽立ちやすくなるため、こまめに刃を交換することも重要です。

接着・組み立てのポイント

スチレンボード同士を接着する場合は、発泡スチロールを溶かさないタイプの接着剤を使用するのが基本です。木工用ボンドや「スチのり」といった専用のスチレンボード接着剤が適しています。

接着時には、パーツ同士が直角になるようにガイドを使って固定しながら接着すると、全体のバランスが崩れにくくなるでしょう。乾燥時間をしっかりと確保しながら丁寧に進めることで、模型全体の精度と耐久性が向上します。仮止めにマスキングテープを使うと、作業中のズレを防げて便利です。

美しく仕上げるための工夫

スチレンボードはそのままでもきれいな素材ですが、さらにリアリティを高めたい場合は、表面加工や着色を取り入れると効果的です。外壁や屋根を模したテクスチャシートを貼ったり、アクリル絵の具で着色したりすることで、より実際の建築物に近い雰囲気を表現できます。

また、エッジ部分をやすりで軽く整えることで、仕上がりがぐっと洗練された印象になるでしょう。窓や扉の開口部を丁寧にくり抜くことで、模型全体の完成度も一層高まります。細部まで丁寧に仕上げることが、完成度の高い建築模型づくりの鍵となるでしょう。

まとめ

スチレンボードは、軽量で加工がしやすく、美しい仕上がりが得られることから、建築模型に最適な素材のひとつです。素材の特徴や他の材料との違いを理解し、用途に応じた厚みやタイプを選ぶことで、模型の完成度が大きく向上します。

また、正確なカットや適切な接着、丁寧な仕上げを意識することで、よりリアルで説得力のある建築模型が作れるでしょう。

建築模型を作る際に利用する「スチレンボード」の詳細はこちらをチェックしてみてください。